高血圧症
高血圧とは
高血圧とは、血圧が基準値よりも高い状態が持続する病気であり、通常、収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上である場合を指します。これは「生活習慣病」の一つで、日本では非常に多くの人がこの病気にかかっています。
高血圧の特徴は、自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行することが多い点です。しかし、血圧が高い状態が続くと血管に大きな負担がかかり、「動脈硬化」を引き起こす可能性があります。この動脈硬化が進むと、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症、腎臓病などの深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。
こうしたリスクを避けるためには、高血圧を早期に発見し、治療を開始することが非常に重要です。
高血圧になりやすい方
以下の生活習慣や持病に該当する項目が多いほど、高血圧のリスクが高まる可能性がありますので、気をつけることが大切です。
- タバコを吸う習慣がある
- 食事時間が不規則になりがちである
- 家族に高血圧の方がいる
- 油っこい料理や揚げ物、炒め物が好み
- 血糖値が高いと言われた経験がある
- 睡眠が不足している
- 日常的にストレスを多く感じる、またはストレスを溜め込みやすい
- 塩分の強い食べ物が好きである
- 野菜や果物をあまり摂取しない
- お酒を多量に飲むことがある
- 肥満気味である(BMIが25以上)
- 腎臓や内分泌に関する持病を持っている
- 運動の習慣がほとんどない
- 睡眠時無呼吸症候群の症状がある(いびきや日中の眠気、夜中に目が覚めるなど)
高血圧の症状
高血圧は自覚症状がほとんどありません。血圧が非常に高くなると、頭痛やめまい、肩こりなどが生じることがありますが、これらの症状は血圧に関係なく起こる事も多く、高血圧が原因とは限りません。そのため、高血圧の自覚症状を頼りにするのは難しいと言えます。しかし、症状がないからといって放置していると、様々な合併症を引き起こす危険性があります。このように高血圧は自覚症状がなくとも身体に悪影響を与えるため、『サイレントキラー』とも呼ばれています。
高血圧の治療
高血圧は、生活習慣病の中でも特にリスクが高く、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管疾患や腎機能の低下を防ぐためには、早期からの血圧コントロールが重要です。高血圧の治療は「生活習慣の改善」と「薬物療法」を基盤としており、当院では患者様との十分な相談のもと、生活習慣に関する指導も含めた専門的な診療と治療を提供しています。
高血圧治療の目的と目標値について
高血圧治療の目的は、血圧を目標値まで下げ、動脈硬化の進行を抑えることで、重篤な病気のリスクを減らすことにあります。高血圧治療ガイドラインでは、以下のような治療目標値が設定されています。ただし、個人の体質や合併症の有無により、目標値は異なることがあります。血圧が過度に下がると、めまいやふらつきなどの副作用が生じる可能性があるため、体調の変化には注意が必要です。
年齢 | 診察室血圧 | 家庭血圧 |
---|---|---|
75歳未満 | 130/80mmHg未満 | 125/75mmHg未満 |
75歳以上 | 140/90mmHg未満 | 135/85mmHg未満 |